脂質は、重要なエネルギー源です。糖質やアミノ酸が1g当たり4Kcalなのに対して、脂質はその倍以上の1g当たり9Kcalのエネルギー量になります。
脂質は、体内の貯蔵エネルギー源としても適しており、体内に貯蔵する糖質グリコーゲンが約300gから400gなのに対して、例えば体重60Kg、体脂肪率20%の人の割合は約12Kgとなります。比較にならないほどの貯蔵量です。
また脂質は体内で多くの働きをになっていまして、主に以下のような役割があります。
- 細胞膜をはじめとした生体膜の材料
- ステロイドホルモン(副腎脂質ホルモンなど)の材料
- 脂質の吸収に必要な胆汁酸の材料
- 体温維持や内臓を守るためのクッション材として
など
脂肪酸について
脂肪酸は脂質を作っている成分です。私たちのエネルギー源となり、特にファスティング時のメインのエネルギー源となります。ケトン体も脂肪酸により作られていきます。
構造的には、二重結合がない脂肪酸を『飽和脂肪酸』、二重結合がある脂肪酸を『不飽和脂肪酸』といいます。
飽和脂肪酸
肉などの動物性脂肪、ココナッツ油などの植物油脂に多く含まれています。常温では固形で、酸化しにくいのが特徴です。
過剰に摂取すると、冠動脈疾患(心臓の病気)、糖尿病や肥満などにつながる可能性が出てきます。
不飽和脂肪酸
動物油脂や魚油に多く含まれています。
不飽和脂肪酸は、『一価不飽和脂肪酸』『多価不飽和脂肪酸』の2つに分類されます。
A :一価不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸の特徴である二重結合が1つだけの脂肪酸を一価不飽和脂肪酸といい、通称オメガ9ともいわれています。オリーブオイルやキャノーラ油などがあります。
B:多価不飽和脂肪酸
二重結合が複数ある脂肪酸を多価不飽和脂肪酸といい、オメガ3とオメガ6がこれに当たります。体内では作ることができない脂肪酸ですので、食品から摂取しなくてはならない《必須脂肪酸》です。(一価不飽和脂肪酸は必須脂肪酸ではありません)
オメガ6には、ベニバナ油、ゴマ油、コーン油などがあり、オメガ3には当協会が積極的に摂取するよう推奨している亜麻仁油、他にはエゴマ油や青魚の油があります。