精製塩について
精製塩(食塩)も、ミネラルを失った食品です。かつては、海水を天日干しにして作る塩田方式の天然塩が主流でした。天然塩と精算塩(食塩)の違いは、塩化ナトリウム以外のミネラル成分を含むか否かです。天然塩には塩化ナトリウムの他に、マグネシウム、カリウム、カルシウムが成分として含まれています。
日本では1905年から1997年まで、塩は専売制で国家の管理下にありました。なぜこのような制度が始まったのかというと、1904年に日露戦争が開戦、その戦費を調達することが目的でした。専売制には1997年に廃止され5年間の経過措置期間を経て、2002年に完全自由化になりました。
しかし専売性にありながらも、塩は各地の塩田で生産されていたのですが、1971年に「塩業近代化臨時措置法」が成立したことにより、各地の塩田が廃止されイオン交換膜製法という製造法で生産される、塩化ナトリウム成分が99.9%で他のミネラルが排除された精製塩(化学塩)がほぼ食卓塩を独占、それが約30年間も続きました(「塩を守ろう」という根強い消費者運動により、生産量限定と言う条件付きで「伯方の塩」は専売公社が認めました)。
確かにナトリウムも必須ミネラルの一つですのでなくではならないのですが、ミネラルというのは他のミネラルといかにバランスを保つかが重要になります。しかし完全ナトリウムである精製塩や、それが材料として使われている添加物や調味料は、必然的にナトリウムの過剰摂取を引き起こし、高血圧を始めとしたさまざまな疾患につながります。
皆様のご家庭では天然塩を使用し、周囲にもそれを勧めてください。
空(から)のカロリー食品
以上のような白い精製食品を、アメリカの栄養学者の中には「空のカロリー食品」と呼ぶ人もいるようです。これは、ビタミンやミネラルが「空っぽ」で、カロリーだけが残った食品ということです。
カロリー(エネルギー源)を体内でエネルギー(ATPといいます)に代謝し、変化させていくには、ビタミンやミネラルは欠かすことができません。エネルギーに変えられなければ体に蓄積されて、メタボなどの原因にもなっていきます。そしてこのメタボは、さまざまな生活習慣病引き起こす原因になっていくのです。