肉をはじめとした動物性タンパク質の過剰摂取がもたらす問題としては、以下のようなことが挙げられます。
1、肝臓と腎臓への負担
タンパク質には窒素(N)が含まれ、タンパク質(アミノ酸)が分解されると有害なアンモニアになります。アンモニアはとても有害ですので、まず肝臓の尿素回路で弱い毒性の尿素へと代謝され、その後、腎臓でろ過されて尿として排泄されます。肝臓で尿素へと代謝するだけでもエネルギーをかなり使用します。
2、消化器官への負担
日本人は、体質的にも動物性タンパク質を消化する力が弱い傾向にあります。
3、脱灰が促進される
動物性タンパク質の過剰摂取は、体内で大量の酸を発生させるため、体はアルカリ成分であるカルシウムを骨から動員して中和し、弱アルカリ性に戻します。
さらに肉は、高リンー低カルシウム食材なので血液中のリンとカルシウムの比率である1:1のバランスが崩れます。そのために骨からカルシウムが動員されて脱灰が進み、骨が弱くなっていくのです。
4、有害物質を摂取してしまう可能性
牛などの家畜が飼育される過程で投与される抗生物質、ホルモン剤などが肉を摂取することで体内に入ってきます。
国立がんセンターの2011年の報告によると、男性では肉類全体の摂取量が多いグループ(約100g/日以上の群)で結腸がんリスクが高くなり、女性では赤肉の摂取量が多いグループ(約80g/日以上の群)で結腸がんのリスクが高くなりました。
その他にも
●動物性脂肪(飽和脂肪酸)が多い
●腸内フローラの多様性を低下させる
などを挙げることができます。