老化を促進するキーワードとして、よく取り上げられるのは次の2つです。
●活性酸素による酸化→《身体のサビ》
●余分な糖質による劣化→《身体のコゲ》
ここでは、糖化について見ていきましょう。
糖化とAGE
食事などで摂取した余分な糖質が、体内でタンパク質や脂質などと結合し、細胞などを変性・劣化させることを糖化といいます。
例えば、ホットケーキなどを作ると、こんがりとした褐色の焼き目が見られますが、これは、砂糖が牛乳や卵などのタンパク質と結合して変性した結果なのです。これと同じことが体内でも起きることから、糖化は身体の《コゲ(焦げ)》と呼ばれるようになったのです。
ホットケーキなどのスイーツでは、この焦げもほんのりとした香ばしい香りを放つ程度で済むのですが、体内で起これば大きな問題につながっていきます。
赤血球のヘモグロビンが糖化→酸素を運搬するのに支障をきたす
血管の内側の壁が糖化→血管壁が炎症、動脈硬化へ 毛細血管のゴースト化
肌の土台であるコラーゲンが糖化→肌の弾力性が失われてくる
髪の毛のタンパク質が糖化→髪の毛のハリやツヤが失われてくる
目のタンパク質が糖化→白内障、緑内障、ドライアイなどの原因に
骨が糖化→骨粗鬆症のリスクが大きくなる
腎臓のろ過機能が糖化→腎臓機能低下の原因に
そして糖と結びついたさまざまなタンパク質はやがて、AGE(終末糖化産物:Advanced Glycasion End Products:AGEsともいいます)という毒性の強い、老化促進の原因物質をつくります。このAGEが蓄積すると、肌のシミやくすみ、シワの原因となり、髪の毛のハリやツヤも失われると年齢よりも老けた印象を形づくっていくのです。
紫外線のダメージなどによる、肌の老化(酸化)は見た目で分かるので、すぐに対策に移ることができるのですが、残念なことに、体内で起こる糖化は徐々に進行していき日焼けのようにすぐ体感することができません。
AGEは食品の中にも含まれます。先ほど例にあげたホットケーキや、ステーキ、ハンバーグ、フライドチキン、フライドポテト、ピザなど焼き色もしくは揚げ色がついている料理を食べることは、いずれもAGEを摂取していることにもなるのです。食品に含まれるAGEの数%は、排出されずに体内に蓄積していくとも言われていますので、食べ過ぎには注意をしなければいけません。
またこの糖化は、発見者の名前から《メイラード反応》とも呼ばれています。