酵素の働きは『代謝』と『消化』、大きく2つに分けられます。それぞれ『代謝酵素』と『消化酵素』と呼ばれ、私たちの生命活動を支えています。
代謝酵素は、摂取した栄養素からエネルギーを作り出したり、細胞の修復や免疫力、恒常性(ホメオスタシス)を保ち、生命の維持に幅広く関わります。
消化酵素は体内で分泌されるもの、外から摂取するものがあり、摂取した食品の消化と吸収の働きをします。酵素が含まれる生食(ローフード)などで消化酵素を補い、十分量の消化酵素とその働きを助ける栄養素を保つことは、代謝酵素の働きを助ける栄養素を温存し、代謝酵素を有効に使う上でも大事です。もし、代謝酵素を助ける栄養素が消化酵素のために回されてしまうと、生命活動を支える必要な代謝(解毒、細胞修復、免疫、エネルギー作りなど)ができなくなってしまい自然治癒力も落ちて、健康を維持する上で障害になっていきます。
よく食事は生野菜から食べましょうと言われますが、それは胃の中に滞在する時間が約30分程度と短く、食品自体が酵素を持つので、自己消化もしてくれるからです。ところが、炭水化物や肉類(動物性タンパク質)などは胃の滞在時間がとても長く(炭水化物で平均3~4時間、動物性タンパク質は4~8時間)、消化・吸収活動に時間がかかります。もし、炭水化物や動物性タンパク質を先に摂取してしまうと、胃や腸の中で大渋滞を起こしてしまうのです。
また、漬け物、ピクルス、納豆、生味噌、甘酒などの発酵食品は、酵素の補給食材となりますので、生野菜とともに積極的に摂取しましょう。