今、このテキストを読まれている方は、ファスティング、人間・細胞の機能、そして何より「健康」について深く興味を持ち、勉強しようとされている方々だと思います。そして、学んだことを活かして、自分の健康、家族の健康、大切な人の健康に貢献したいと考えられていることでしょう。
そこで質問です。
「あなたは『健康』ですか?」
この質問に対して、「私は健康だ」と思われている方も多いのではないでしょうか。あるいは、特に持病もなく、食事や生活にある程度気をつけている方は「それなりに健康だ」と思われているかもしれません。もしくは、少々不摂生はしているけども、特別困った症状はなく、健診などでも問題を指摘されない、指摘されたとしても軽いものなので「そこそこ健康かな」と感じている方もいらっしゃるでしょう。
はたして、実際にはどうでしょう?
現在、我が国における国民医療費は40兆円を超えてきています。国家予算(一般会計)が約100兆円であることを考えると、医療費の割合がとても大きいことがわかります。
すなわち、それだけ病人が多いということです。この国民医療費は40年前の4倍、私が医師になった25年前(1995年)の2倍に増えています。
はっきり申し上げて、異常な状態です。
あなたはこの病人の中に入っていませんか?もしくは「病院予備軍」に入っていませんか?
例えば、次の会話を見てください。
「昨日、お隣のご主人が倒れて入院されたんだって!」
「え〜っ!あの人昨日まで元気だったのに!あんなに健康そうだったのに!」
賢明な皆さんならわかりますよね。
お隣のご主人は「昨日まで健康」だったわけでは決してないのです。「診断名」がついていなかっただけで、徐々に病魔が襲ってきていました。いわゆる未病状態、すなわち「病人予備軍」に長くあったと推測されます。それが昨日、ようやく病人として診断名がつくような症状が出ただけなのです。
現在の日本には、未病状態、あるいは不健康だけど、それに気づいていない状態の人々、「病人予備軍」であふれています。このような事態に気づいていない、あるいは対処できていないため「病人」を減らすことができず、「国民医療費」がうなぎ登りに上がっていくのです。
今のこの状態は、絶対に変えなければなりません。そのために現在の「保険診療だけに頼る」「病気になったら病院に行けばいい」という考え方から根本的に変えていく必要があります。
病院の重要性は変わりません。
しかし、「病気になったら…」と考えるより、「病気にならないように」と考える、その意識を広めていく必要があるのです。
病気にならないようにするには、現在の病院の役目ではありません。
「病気にならないようにする」ことも病院の役目であってほしいと私は思っていますが、実際にはそうではありません。今の国の保険制度は、あくまでも「病気になった人は保険で診てあげますよ」と言う考えです。
それでは、「病気にならないようにする」にはどうするべきなのか?
それは、我々国民一人ひとりが意識し、健康になるための行動を起こすことです。
ただ……、そうは言われても健康のプロではない一般の人たちからは、「自己責任で健康を守れ」と言われても、「どうすればいいの?」と多くの疑問が出ることでしょう。
そこで、皆さんのような「健康のプロ」の出番があるのだと思います。ファスティングマイスターになった皆さんが、一般国民に向けて「健康への啓発」を行い、「具体的な健康への導き方」を伝えていくのです。
そのために皆さんは確かな情報を学ぶ(インプット)必要があります。そして必ずアウトプット(周囲への啓発)をしてください。
しかし、一気に国民、一般市民への啓発は難しいでしょう。
ですから・・・、
まずは「自分から」始めてください。
そして「自分の家族」、「周囲の人々」、「他の一般市民」へと徐々に広げていってください。
そのように活動していくことは、「健康」という観点だけではなく、「広い意味」であなたのためになり、周囲のためにもなる(人の役に立てる)結果となるのです。
さあ、「日本の健康」は皆さんの手にかかっています!