03:アレルギー疾患の方へのアドバイス
普段の食生活がアレルギーを助長している可能性があります。
アトピー性皮膚炎や気管支喘息、花粉症など、アレルギー疾患の有無と普段の食生活は関連しているようです。現に、「朝食をパンから米飯へ変える」、「油料理を減らす」とスギ花粉症が改善したという日本アレルギー学会の研究報告、ならびにアレルギー既往者の緑黄色野菜の摂取量が有意に低値であったという藤女子大学の研究報告があります。
また、乳製品、加工肉、トランス脂肪酸を含むマーガリン、オメガ6系脂肪酸を含む油、小麦、砂糖、炭酸飲料、炭酸水はアレルギーを助長しうると考えられているため、できる限り摂取を控えるようにしましょう。
一方で、オメガ3系脂肪酸を含む亜麻仁油、エゴマ油、青魚油はアレルギー緩和に役立つとされていますので、積極的に取るようにすると良いでしょう。
なお、日本の免疫学者・安保徹教授の研究によると、自律神経のバランスの乱れがアレルギー発症に関与しているようです。したがって、コーヒーなどに含まれるカフェイン、ビールや炭酸水などに含まれる炭酸(二酸化炭素)の過剰摂取は自律神経のバランスを乱し、アレルギーを助長してしまう可能性があるため、注意が必要です。したがって、砂糖やミルク(乳製品)入りのコーヒーや炭酸飲料は特に注意が必要であるといえるでしょう。
アドバイスのひとつとして、腸に働きかけることで、自律神経のバランスを整え、アレルギーの緩和に役立つとされる納豆や味噌など、発酵食品の積極的な摂取を推奨することも大切です。
04:カフェインの摂取に関するアドバイス
依存性があり、脳神経に影響を及ぼすカフェインの過剰摂取は問題とされています。
カフェインには覚醒作用、利尿作用などがあり、短期的に眠気覚ましや疲労感の回復に役立つものの、実際に疲労が回復するわけではありません。長期的あるいは過剰に摂取すると、不眠や頭痛、めまい、吐き気、不安などがあらわれることがあります。カフェインの交感神経を刺激する作用により、血圧の上昇や頻脈、動悸をきたすこともあります。
一方で、カフェインには依存性があり、脳神経の働きに影響を及ぼす危険性もあることから、過剰摂取は問題とされています。薬としての有効性があるという考えから、医薬品としても使用されているカフェインですが、1回服用あたりに500mg以上のカフェインを含むものは劇薬として指定されているほど問題のある成分です。
したがって、ファスティングの準備期、ファスティング中、復食期ともに摂取を控えるカフェインは、普段も極力摂らないほうが賢明であるといえるでしょう。
普段カフェインを多く摂っていた方がファスティングを行う際、カフェインを断った場合、カフェインを欲する症状がファスティング2日目頃に強くあらわれるようです。ファスティング中にカフェイン依存の症状にできる限り苦しまないようにするためにも、普段カフェインを摂る習慣のある方は、段階を追って徐々にカフェインの摂取量を減らしてからファスティングに臨むようにしたいものですね。
ちなみに、コーヒー1杯あたりのカフェイン量はドリップのしかたにもよりますが、1杯を150mlとした場合は60〜90mg程度です。