07:ファスティングによる筋肉減少への懸念に関するアドバイス
ファスティングにより筋肉が落ちたように感じるのは、水分不足および筋グリコーゲン不足が原因です。
通常、筋肉を使うような運動すると、エネルギー源として筋グリコーゲンが消費されます。
一方で、ファスティング中はケトン体がつくられ、エネルギー源として使われますが、その前に、生体は筋グリコーゲンをはじめとする体内の全グリコーゲンをエネルギー源として使い切ります。したがって、筋肉を使うような運動は筋グリコーゲンが消費される分、負担がかかります。
筋グリコーゲンはエネルギー源の一種ですから、これがファスティングによって枯渇してしまうと、エネルギー源が不足してしまう分、筋肉が落ちていなくても筋力不足を感じるというわけです。
また、グリコーゲンは水が結合することでその構造を保っています。そのため、ファスティングによって筋グリコーゲンの分解、消費が進めば進むほど、筋グリコーゲン内の水分も減ってしまう分、筋肉のハリが減ってしまいます。これも、ファスティングにより筋肉が落ちたように感じる原因といえるでしょう。
なお、ファスティング中は筋グリコーゲンが枯渇してしまうため、筋肉を使うような運動は負担になりやすいです。したがって、ファスティング中は運動(特に筋肉を激しく使うような運動)を控えめにするようアドバイスすることが大切でしょう。
ちなみに、飢餓状態の際、エネルギー源を確保するために、筋肉のタンパク質が分解される糖新生によって筋肉が減少するという懸念があります。ですが、ファスティング用ドリンクを用いたファスティングでは、ドリンク内に糖質が含まれている分、糖新生によるエネルギー源の確保をあまり必要とせず、それゆえに筋肉のタンパク質が分解されづらいと考えられます。
08:ファスティング中に感じる下半身の痛みに関するアドバイス
腰より下の筋肉から筋グリコーゲンの分解が行われることが多いからでしょう。
エネルギー源として分解、消費される筋グリコーゲンが多く存在しているのは、腰より下の筋肉であるといわれています。そのため、下半身に痛みや重だるさが生じやすいようです。
したがって、ファスティング中は筋グリコーゲンを消費するような運動(特に筋肉を激しく使うような運動)を控えめにするようアドバイスすることが大切でしょう。