14:血液検査を行うタイミングに関するアドバイス
ファスティング後の血液検査は1か月以上あけたほうが良いでしょう。
ファスティング(断食)は人為的に飢餓状態を誘発し、エネルギー源をブドウ糖からケトン体に変えることで生命を維持しようと特殊な変化をもたらします。そのため、生命は飢餓状態を乗り越えるために様々な変化を起こし、その影響は血液にも及びます。したがって、一般的な血液検査の指標はファスティング時には当てはまりません。
ファスティング中の血液検査の結果は、一般的に白血球数、総蛋白、コレステロール、中性脂肪、尿素窒素の値が低下する傾向にあります。一方で、ファスティング用ドリンクを使わないファスティングでは、腎機能の指標となるクレアチニンと尿酸の値は上昇する可能性があります。なぜなら、クレアチニンと尿酸はともに筋肉からのタンパク質分解によって生じるとされており、ファスティング用ドリンクを使わないファスティングでは糖新生により筋肉の分解が進む可能性が高いからです。
また、果糖(フルクトース)を含むファスティング用ドリンクを用いたファスティングの場合、果糖(フルクトース)が代謝される過程で尿酸が生成されるため、尿酸の値は上昇する可能性があります。ですので、尿酸値が高めの方や痛風の既往がある方は要注意です。
したがって、健康診断や人間ドックなどで行われる血液検査は、ファスティング直前であれば問題ありませんが、ファスティング後は1か月以上あけたほうが良いでしょう。それは、ファスティング時に変化した生体内の特殊な状態から食事を摂取するという通常の状態へ戻り、ファスティング後に摂取された食事などの影響によって血液の状態が変化しはじめるため、一般的な血液検査の指標が当てはまるようになるのにある程度の時間が推測されるからです。
15:ファスティング中につくられるケトン体に関するアドバイス
ファスティングを続ける限り、ケトン体の産生は続きます。
ファスティング開始3〜4日目あたりから体内でケトン体がつくられます。
ケトン体はエネルギー源が主に糖質から脂質に変わった時につくられる副産物であり、ファスティングを続ける限り、ケトン体の産生は続きます。