20:ファスティング中に起こる手足の痺れに関するアドバイス
電解質バランスの乱れ、または低血糖による痺れが考えられます。
手足の運動や感覚を司っているのは、筋肉および神経系です。筋肉および神経系を養っているのは、主にタンパク質、糖質、ビタミン、ミネラルであり、これらの栄養素が不足してしまうと、筋肉および神経系が栄養不足に陥ってしまう分、手足の運動や感覚に異常をきたすことがあります。
ファスティング中は通常の食事を摂取しない分、ミネラルから成る電解質バランスが乱れる可能性があります。また、生体機能を保つ分の血糖値が維持できなくなると、低血糖状態を起こすリスクもあります。
神経系の機能を維持するため必要なミネラルのひとつはナトリウムであるため、塩分不足が手足の痺れの原因かもしれません。天然塩や梅干しなどを摂取することで予防および対処するようアドバイスしましょう。
一方で、低血糖による痺れが考えられる場合、一度に飲むファスティング用ドリンクの量を減らし、こまめに少量ずつ飲むようにすることによって、血糖値のコントロールを図った方が良いかもしれません。
21:ファスティング中だけでなく、ファスティング後にも手足の冷えを感じる方へのアドバイス
普段の生活習慣が手足の冷えを感じるきっかけとなっている可能性があります。
体温の源は熱エネルギーであり、血流に乗って全身に運ばれます。ですので、手足の冷えを感じる原因として、エネルギーを産生する代謝の問題や血行不良が考えられます。
確かに、ファスティングにより心血管の状態が改善されるということが、南カリフォルニア大学のヴァルター・ロンゴ教授率いる研究チームの論文に書かれています。ですが、ファスティングだけで血流の問題が改善されるとは限りません。
同様に、ファスティングだけで代謝の問題が改善されるとも限りません。ファスティング中は通常の食事を摂取しない分、エネルギー源となる栄養素の摂取も減ってしまうため、冷えを感じる事は珍しくないと思われます。しかしながら、ファスティング後も冷えを感じるのであれば、ファスティング後の生活習慣に問題があると言わざるを得ないでしょう。
せっかくファスティングに取り組んだのですから、食生活や運動、睡眠など生活習慣の改善を行うことが大切です。普段、湯船に浸かる習慣がない方は、これを機に、湯船につかるようにすると良いでしょう。