食育とは
食育基本法の中では、『食育』を次のように位置付けています。
①生きる上での基本であり、知育・徳育および体育の基礎となるべきもの
②『食』に対する知識と『食』を選択する力を習得し、健全な食生活を営むことができる国民を育てること
つまり、私たちの心も体も『食』の上に成り立っていると読み取ることができます。
なぜ法律が制定されたのか
『食』をめぐるさまざまな問題に対して、個人の問題として放置するのではなく、社会全体の問題としての国民運動へと強く推進することを目的に制定されました。具体的には、以下のようなことが挙げられます。
- 『食』に対する感謝の心と理解の欠如
- 栄養バランスの偏った食事や不規則な食生活の増加
- 肥満や生活習慣病(がん、糖尿病など)の増加
- 過度の痩身志向
- 『食』の安全性の問題
- 伝統ある食文化の喪失
食をめぐる問題
近年、生活習慣病が増加しております。その予防のためには適度な運動と食生活の見直し・改善が求められます。
厚生労働省の2017年【総患者数】によると、糖尿病患者数は328万9000人となり、前回調査の2014年と比較しても1万2300人増え、過去最高となっています。
また、同省の2018年の【国民健康・栄養調査】によると、『糖尿病が強く疑われる者』と『糖尿病の可能性を否定できない者』の合計の割合は男性で33.5%、女性で25.8%となっています。
さらに、同調査資料内のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況で、『メタボが強く疑われる者』と『メタボの予備軍と考えられる者』の合計の割合は男性で54.6%、女性で19.6%となっており、昨今の健康意識の向上およびダイエットブームもあるからか、前回調査(2017年)と比較して糖尿病、メタボともに女性は若干減少傾向にある一方で、男性に関しては増加傾向にあります。
一方、食品の安全性について見ますと、それを脅かす問題を否定することはできない状況です。私たち一人ひとりが食品の安全性について関心を持ち、学習する必要があるでしょう。